2016年12月14日

ここのところ出張が多くて、この3週間は東京、大阪、東京と大三島と都市を行ったり来たりしてました。家にいるとなかなか本を読めないので、この機会にある本をバックに入れて旅にでました。


アメリカのパン職人チャド・ロバートソン氏の名著です。 パンラボでも紹介されている世界的に有名なパン職人さんの本でございます。 表紙がかっこいいからと言って飾り本じゃないですよ! 

こういう本を読むときはちょっと英語ができてよかったなと思います。大学院時代に読んでいた経済学の洋書は読むと数分で眠気がきましたけど、この本にはぐいぐい引き込まれていきます。

"1930年代までフランスでは伝統的な発酵種がパン作りには使われていたが、その後、ドライイーストが普及して発酵種を使った伝統的なパン作りの手法は著しく衰退。利便性が重視され、独特風味のある発酵種のパンが失われていった"

何千年と歴史のある手法が、数十年で急速に本場フランスで衰退したことを知りました。 この反動で、1970年代からフランスで、80年代からアメリカで、ドライイーストに反旗を掲げる発酵種のみを使ったパン屋さんが増えていったそうです。

日本で発酵種を使ったパン作りのブームはここ5年くらいだと思うので、30年遅れて日本にはそのムーブメントが来ているんですね。 もちろんムーブメントとかそういう社会の動きとは関係なく、ルヴァンの甲田さんのように30年以上前から発酵種を使った伝統的な手法でパンを焼き続けている方々もいます。



チャド・ロバートソンさんは、発酵種で焼く伝統的なパンの価値を探求しながらも、ドライイーストも活用しながら、現代にあったパンを焼いているところが勉強になります。

チャドさんはバケットなどにはポーリッシュ種とルヴァン種を併用してます。これはチャバタを作ったときに試した手法だったので、やっぱりポーリッシュ種かとすごく納得感がありました。

ポーリッシュ種はドライイーストで粉をしっかり発酵させて、粉から旨みを引き出してくれます。この旨みと、発酵種の香り、味わいが混ざったら、間違いなくおいしいパンになると思うのです。

TARTINE BREADでは、惜しみなくパンのレシピが紹介しています。 同じレシピでも、酵母の状態、水、粉、オーブン、それぞれの要素で全くパンの質は変わってくるので、チャドさんのパンが実際にはどういうものか知ることはできないのですが、近々自分で"Basic country bread(田舎パン/カンパーニュ)"を焼いてみたいと思ってます。

自分のパンと決定的に違うのは、加水率(生地に含まれる水分の量)です。私が焼くパンの加水率は65%程度ですが、彼の場合は75%以上... 高加水で焼くパン、個人的にはあんまり経験がないので、やるっきゃないですね。

最後に、私がTartine Breadを知るきっかけになった動画をご紹介しておきます。
5年後or10年後に自分が大三島でやっているお店に来るお客さんの半数以上は外国人を想定してるので、この冒頭にあるようなインターナショナルな雰囲気を感じるお店になっているんじゃないかな〜〜〜なんて夢見るのもいいですね。